【医師解説】レーザー?接着剤?ストリッピング?下肢静脈瘤「切らない治療」と最適な選び方

下肢静脈瘤の治療法
レーザー?接着剤?ストリッピング?下肢静脈瘤「切らない治療」と最適な選び方

 

 

 

💉 レーザー?接着剤?ストリッピング?下肢静脈瘤“切らない治療”の違いと最適な選び方

下肢静脈瘤の治療を検討されている方にとって、どの手術法を選ぶかは非常に重要です。近年、「切らない治療」として注目を集めるレーザーや接着剤を使った治療と、従来法であるストリッピング手術には、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。

この記事では、下肢静脈瘤治療の主要な3つの手術法である「血管内焼灼術(レーザー・高周波)」「血管内接着術(接着剤)」「ストリッピング手術」について、専門的な視点からその違いを分かりやすく解説し、あなたにとっての「最適な選択肢」を見つけるお手伝いをします。


1. 🌡️ 血管内焼灼術(レーザー・高周波) – 現在の標準治療

現在、最も広く行われている「切らない」治療の代表格です。

📌 治療のメカニズム

静脈内に細いカテーテルを挿入し、その先端からレーザー光高周波エネルギーを照射・発振することで、原因血管を内側から熱で焼灼し、閉塞させます。血管が閉じれば、血液の逆流は止まります。

血管内焼灼術

✅ メリット

  • 低侵襲性: 局所麻酔で行え、切開は数ミリ程度(ほとんど切らない)で済みます。
  • 回復の速さ: 手術時間が短く、術後の痛みも少ないため、日帰り手術が可能です。
  • 整容性: 傷跡が小さく目立ちにくいです。
  • 多様な形状への適応: カテーテルが柔軟なため、ある程度の蛇行がある静脈瘤や、細めの静脈瘤でも比較的対処しやすいのが、レーザーカテーテルの大きなメリットです。

❌ デメリット

  • 熱による痛み: 術後に軽度の痛みや皮下出血が生じることがあります(適切なTLA麻酔でコントロール可能です)。
  • 治療の適応: 高周波カテーテルの場合、血管が極端に蛇行しているケースや、静脈瘤が太すぎる・細すぎる場合は適応外となることがあります。

2. 🧪 血管内接着術(接着剤治療) – 最も低侵襲な新治療

比較的新しい治療法で、より一層低侵襲な選択肢として注目されています。

📌 治療のメカニズム

特殊な医療用の瞬間接着剤(シアノアクリレート系)を静脈瘤の原因血管内に注入し、物理的に血管を塞いで閉塞させます。

グルー治療

✅ メリット

  • 究極の低侵襲: 熱を使わないため、血管の周囲に注射するTLA麻酔が基本的に不要です。術後の痛みや皮下出血が最も少ないとされます。
  • 圧迫が不要(ケースによる): 術後の弾性ストッキングによる圧迫が不要、または短期間で済むことが多いです。
  • 回復が最も早い: 術直後からほとんど普段通りの生活が可能です。

❌ デメリット

  • 費用: 他の治療法と比べ、費用が高額です。
  • 接着剤の残留: 血管内に医療用とはいえ異物(接着剤)が残ります。
  • アレルギー反応: ごくまれに接着剤に対するアレルギー反応が出る可能性があります。
  • 複雑な形状への限界:主幹静脈から枝分かれした側枝静脈瘤や、強く曲がりくねった(蛇行した)静脈にはカテーテルを挿入しにくいため、接着剤の注入が難しく、これらの静脈瘤を単独で治療することはできません。

3. 🔪 ストリッピング手術(抜去術) – 従来からの確実な根治法

従来から行われてきた最も歴史のある確立された治療法です。

📌 治療のメカニズム

足の付け根や膝の裏などを数センチ切開し、静脈瘤の原因となっている静脈の中に専用のワイヤー(ストリッパー)を挿入し、血管を引き抜いて(抜去して)取り除きます。

ストリッピング

✅ メリット

  • 確実な根治性: 原因となる血管を物理的に除去するため、再発のリスクが低いとされています。
  • 長期的な実績: 非常に長い歴史と実績があり、治療成績が確立されています。

❌ デメリット

  • 侵襲性が高い: 下半身麻酔(腰椎麻酔)が必要になることが多く、入院が必要です(TLA麻酔により通院治療も可)。
  • 傷跡が残る: 数センチの切開が必要なため、他の治療法と比べて傷跡が目立ちます。
  • 回復に時間がかかる: 術後の痛みや皮下出血が強く出やすく、社会復帰までに時間を要します。

4. 徹底比較テーブル:最適な治療法を見つける

項目 1. 血管内焼灼術 (レーザー/高周波) 2. 血管内接着術 (接着剤) 3. ストリッピング手術
治療メカニズム 熱で血管を閉塞 接着剤で血管を閉塞 血管を物理的に抜去
侵襲性 低侵襲 最も低侵襲 高侵襲
麻酔 局所麻酔 (静脈麻酔併用) 局所麻酔のみ 腰椎麻酔またはTLA麻酔
入院の必要性 日帰り可能 日帰り可能 必要となることが多い
術後の痛み 少ない 非常に少ない 強い (他の治療に比して)
術後の圧迫 弾性ストッキングが必要 不要 or 短期間で済む 弾性ストッキングが必要
傷跡 ほとんど目立たない ほとんど目立たない 数センチの切開痕が残る

5. あなたにとっての「最適な選び方」とは?

ほとんどの静脈瘤 → レーザーカテーテルにいる血管内焼灼術が最も適しています。保険適用で、現在ではほぼすべてのタイプの静脈瘤に低侵襲で対応でき、確実な治療効果が期待できます。

👨‍⚕️ 結論:まずは専門医にご相談ください

下肢静脈瘤の治療は日進月歩で進化しており、低侵襲な「切らない治療」が主流となっています。どの治療法にも一長一短があり、最適な選択は患者様ごとに異なります。

大切なのは、これらの治療オプションをすべて提供できる専門医に相談し、ご自身の静脈瘤のタイプや進行度を正確に診断してもらうことです。

 

 

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この記事を執筆した人

斎藤Dr
齋藤Dr
目黒外科 院長 齋藤 陽

  • 日本大学医学部卒
  • 外科専門医・脈管専門医
  • 下肢静脈瘤血管内焼灼術・指導医

下肢静脈瘤ひとすじ28年。
「切らない」「縫わない」独自の技術により、これまでに行った手術件数は8000件以上。下肢静脈瘤レーザー手術件数は2020年以来5年連続日本一。
著者:「専門医が教える 世界一分かりやすい下肢静脈瘤の治療と予防」
メディア出演:日本テレビ「世界一受けたい授業」ほか

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