専門医が教える:下肢静脈瘤で血栓を防ぐ生活術
「下肢静脈瘤があると血栓ができやすいのでは?」
このような不安を抱えている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、すべての下肢静脈瘤がすぐに危険な血栓を作るわけではありません。
しかし、血流が滞る状態が続けば、血栓(血のかたまり)ができやすくなる環境は整ってしまいます。
今回は、専門医の立場から血栓を防ぐために今日からできる生活習慣をわかりやすく解説します。
なぜ下肢静脈瘤で血栓ができやすくなるのか?
下肢静脈瘤は、静脈弁が壊れ、血液が逆流し、足に滞る病気です。
血栓は、次の3つの条件がそろうとできやすくなります。
- 血流の停滞
- 血管壁へのダメージ
- 血液が固まりやすい状態
静脈瘤では特に「血流の停滞」が問題になります。
血栓を防ぐための生活術
① 1時間に1回は足を動かす
長時間の座りっぱなし・立ちっぱなしは血流を悪化させます。
ふくらはぎの筋肉は“第二の心臓”です。こまめに動かすことが予防につながります。
② こまめな水分補給
脱水は血液を濃くし、血栓リスクを高めます。
特に冬場は喉の渇きを感じにくいため、意識的な水分摂取が重要です。
③ 弾性ストッキングの活用
医療用弾性ストッキングは、静脈内圧を下げ、血流を改善する効果があります。
適切な圧で正しく使用することが大切です。
④ 足を冷やさない
冷えは血管収縮を招き、循環を悪化させます。
ただし、締め付けすぎる靴下やブーツは逆効果になることがあります。
⑤ 急な強い痛み・赤みは要注意
静脈瘤の部分が急に赤く腫れ、押すと強い痛みがある場合は、(表在性)血栓性静脈炎の可能性があります。

血栓性静脈炎
自己判断せず、医療機関を受診してください。
こんな症状があれば早めの相談を
- 片足だけ急に腫れた
- ふくらはぎに強い痛みがある
- 血管に沿って赤く硬くなっている
- 息苦しさや胸の痛みを伴う(緊急)
特に息苦しさを伴う場合は、肺塞栓症の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。
まずは今の状態を確認しましょう
血栓のリスクが高いかどうかは、見た目だけでは判断できません。
超音波検査で血液の流れを確認することが重要です。
ただし、「いきなり受診するのは不安」という方もいらっしゃいます。
まとめ
下肢静脈瘤があるからといって、必ず危険な血栓ができるわけではありません。
しかし、血流が滞る状態を放置すれば、リスクは高まります。
「動かす・温める・水分をとる」
この基本を意識するだけでも、血栓予防につながります。
そして、不安がある場合は早めに状態を確認することが安心への近道です。


