【専門医が解説】下肢静脈瘤は遺伝する?家族歴がある方必見の医学的データと対策

下肢静脈瘤の原因

下肢静脈瘤は本当に遺伝するのか?最新の医学研究と家族歴のリスクを詳しく解説します。

「親が下肢静脈瘤だから、自分もなるのでは?」と心配される方は少なくありません。
この記事では、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)と遺伝の関係について、最新の研究データとともに、わかりやすく解説していきます。

【1. 下肢静脈瘤と遺伝の深い関係】

下肢静脈瘤は、遺伝的な体質が大きく関与していることが分かっています。

例えば、両親ともに下肢静脈瘤を持っている場合、子どもが発症する確率は約90%と非常に高いとされています。

さらに、父親か母親のどちらか一方に下肢静脈瘤がある場合でも、女の子には62%男の子には25%の確率で遺伝するという統計データもあります。

この数字から、血管の壁の弱さや、逆流を防ぐ弁の異常といった体質が遺伝することが強く示唆されています。

また、祖父母に下肢静脈瘤があった場合でも、隔世遺伝(かくせいいでん)という形で受け継がれることがあります。

【2. 最新の研究が示すリスク因子とは】

島根大学の研究によると、下肢静脈瘤の発症には加齢・立ち仕事・女性であること・家族歴が関連しているとされています。

この研究では、日本とスウェーデンの共同調査も行われ、家族歴には遺伝だけでなく、共通の生活習慣や環境要因も関与していると示されました。

つまり、「親が立ち仕事で静脈瘤になった。自分も同じ職業についている」という方は、体質と環境のダブルリスクがあると言えるでしょう。

このように、遺伝+生活習慣=静脈瘤の発症リスクの高さにつながるため、早めの対策がとても大切です。

【3. 静脈瘤が気になる人のための予防と対策】

ご家族に下肢静脈瘤がある方は、予防的な生活習慣の見直しが非常に効果的です。

まずは、長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしを避けることが基本です。血液をふくらはぎの筋肉で押し上げる「筋肉のポンプ機能」を活性化させるよう、軽い運動やストレッチを日常に取り入れましょう。

しかしながら、お仕事中に足の事を意識するのは難しいと思います。そこで、弾性ストッキング(着圧ソックス)の着用をお勧めします。弾性ストッキングは足に適度な圧力をかけて血流をサポートし、むくみや下肢静脈瘤の予防・治療に使われる医療用ソックスです。特に立ち仕事をされる方や妊娠中の方にはおすすめです。

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気になる症状がある場合は、早めに血管外科や静脈瘤専門のクリニックに相談することを強くおすすめします。

下肢静脈瘤は放置しても自然には治りませんが、現在では皮膚を切らないで済む手術が確立されていますので、お仕事も休まずに通院で治療をすることができます。

まとめ

下肢静脈瘤は、遺伝的な体質が強く関与する疾患であり、家族に下肢静脈瘤の方がいる場合は発症リスクが高まります。

ただし、正しい知識と予防策を知っていれば、静脈瘤の進行を防ぐことが可能です。

気になる方は、無理に我慢せず、専門医による診察を受けてみてください。

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目黒外科は、東京都品川区にある下肢静脈瘤治療専門クリニックです。2020年以降、5年連続でレーザーカテーテル治療の手術件数が全国最多を誇り、多くの患者様に信頼されています。

当院では、切らない・縫わない・痛くない日帰り治療を行っており、完全予約制で一人ひとりにしっかりと向き合う診療を大切にしています。

28年以上にわたり下肢静脈瘤治療に専念してきた院長が、診察・検査・説明・手術・フォローアップまで一貫して担当
完全予約制・日曜診療対応で、忙しい方でも安心してご来院いただけます。
下肢静脈瘤をもつご家族がいらっしゃる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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