冬に増える足の血栓症に注意|下肢静脈瘤がある方は要警戒
冬になると、足の血管に血栓ができる静脈血栓症が増える傾向があります。

血栓性静脈炎
「寒い季節なのに、なぜ?」と思われる方も多いかもしれませんが、実は冬特有の生活習慣が大きく関係しています。
冬に静脈血栓症が増える理由
冬は以下のような状況が重なりやすくなります。
- 寒さのため外出が減り、自宅で座って過ごす時間が増える
- 夏ほど喉の渇きを感じず、水分摂取量が減る
長時間同じ姿勢でいることや、水分不足は血液をドロドロにし、血栓ができやすい状態を作ります。
下肢静脈瘤がある方は特に注意が必要
下肢静脈瘤がある方では、静脈瘤の中に血栓ができる「血栓性静脈炎」を起こすことがあります。

血栓性静脈炎
血栓性静脈炎は、単なる炎症で終わるとは限りません。
静脈瘤内に生じた血栓が深部静脈へ流れ込むと、いわゆるエコノミークラス症候群(肺塞栓症)へ発展する可能性もあります。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
こんな症状があれば要注意
足の血管がボコボコと浮き出ている方で、
- ある日突然、足が赤く腫れてきた
- 押すと強い痛みがある
- 触ると熱っぽい
このような症状が出た場合、血栓性静脈炎の可能性が高いと考えられます。
早めに医療機関を受診することが大切です。
冬の血栓予防のためにできること
日常生活でできる予防として、以下の点を意識しましょう。
- 喉が渇いていなくても、こまめに水分を摂る
- 長時間座りっぱなしを避け、足首やふくらはぎをよく動かす
- 弾性ストッキングを正しく着用する
特に弾性ストッキングは、血液のうっ滞を防ぎ、血栓予防に有効です。
下肢静脈瘤がある方は治療も選択肢に
すでに下肢静脈瘤で足の血管がボコボコと浮き出ている方は、
血栓を繰り返す前に手術を検討することも重要です。

下肢静脈瘤 画像
下肢静脈瘤を根本的に治療することで、血栓性静脈炎や重篤な合併症のリスクを下げることができます。
まとめ
冬は静脈血栓症が増えやすい季節です。
特に下肢静脈瘤がある方は、「ただの腫れ」「一時的な痛み」と自己判断せず、早めの対策と受診を心がけましょう。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

