再発する静脈瘤の理由|“最初の治療が不十分”だと何が起きるのか
「他院で手術を受けたのに、また脚の血管が浮き出てきた」
「痛みやだるさが戻った。ちゃんと治ったはずなのに」
「そもそも、説明が少なくて不安のまま手術を受けてしまった」
このようなご相談は珍しくありません。下肢静脈瘤は“治療すれば終わり”ではなく、診断の精度、治療方針の妥当性、手技の適切さ、そして術後フォローまで含めて結果が決まる病気です。
この記事では、「再発」や「治りきらない」状態が起こる背景を、できるだけ分かりやすく整理します。さらに、これから再治療を検討される方が「次は失敗しないために」確認すべきポイントも具体的に解説します。
- そもそも「再発」とは何か?──“同じ場所”だけが再発ではありません
- “最初の治療が不適切”だと何が起きるのか
- 再発・不満につながりやすい“あるある”①:術前説明が少なく、患者さんが判断できていない
- 再発・不満につながりやすい“あるある”②:原因となる逆流(本幹)を取り切れていない
- 再発・不満につながりやすい“あるある”③:分枝静脈瘤への対応が不足している(見た目・症状が残る)
- 再発・不満につながりやすい“あるある”④:術後フォローが薄く、問題が小さいうちに修正できない
- 再発・不満につながりやすい“あるある”⑤:最初から「下肢静脈瘤が原因ではない症状」だった
- 「再発したかも」と感じたら、まず何をすべきか
- 次は失敗しないために:下肢静脈瘤の手術前に、患者さん自身が確認しておきたい8つのポイント
- よくある質問(Q&A)
- 下肢静脈瘤専門クリニック『目黒外科』のご案内
- まとめ:再発は「運」ではなく、原因の見極めと治療設計で減らせる
そもそも「再発」とは何か?──“同じ場所”だけが再発ではありません
まず大切なのは、「再発」とはどのような状態なのか?
- 原因が取り残されていた(治療が不十分)ために原因(逆流)が再燃しているケース
これが再発です。別の血管に新たな逆流が生じた場合は再発ではなく新規発症です。
見た目が似ていても、原因が違えば対策はまったく変わります。
そのため、再発を疑うときほど「超音波(エコー)で原因を特定すること」が最重要になります。
“最初の治療が不適切”だと何が起きるのか
結論から言うと、最初の治療が不適切な場合、次のような問題が連鎖的に起きやすくなります。
- 原因の逆流が残り、症状が早期に戻る
- 血管の負担が続き、皮膚炎や色素沈着が進む
- 再治療が複雑化する
- 患者さんが「また失敗するのでは」と感じ、受診が遅れて悪化する
では、具体的に「不適切」にはどんなパターンがあるのか。よくある“あるある”を分解していきます。
再発・不満につながりやすい“あるある”①:術前説明が少なく、患者さんが判断できていない
下肢静脈瘤の治療には、①血管内焼灼術(レーザーまたは高周波)②血管内塞栓術(グルー治療)③硬化療法④ストリッピングなど複数の選択肢があります。
しかし実際には、
- 「なぜその治療法なのか」
- 「どの血管の逆流が原因なのか」
- 「治療の範囲はどこまでか(本幹だけ?分枝まで?)」
- 「再発の可能性と、そのときの対応」
こうした説明が十分でないまま手術に進んでしまうと、術後に少しでも症状が残ったときに、
「聞いていない」「騙された気がする」という不満につながりやすくなります。
医療は“結果”だけでなく、“納得して受けること”がとても重要です。
説明不足は、それ自体がトラブルの種になります。
再発・不満につながりやすい“あるある”②:原因となる逆流(本幹)を取り切れていない
下肢静脈瘤の多くは、脚の表在静脈(代表例:大伏在静脈・小伏在静脈)の弁が壊れ、血液が逆流して起こります。
この「逆流の元栓」に対する治療が不十分だと、表面のコブ(分枝)だけを処置しても、時間とともにまた目立ってきます。
たとえば、
- 本来は本幹治療が必要なのに、分枝処置のみで終わっている
- 逆流範囲の評価が不十分で、治療区間が短すぎる
- 合流部近くの逆流が残っている
このような場合、患者さんの体感としては「手術したのに戻った」になりやすいのです。
再発・不満につながりやすい“あるある”③:分枝静脈瘤への対応が不足している(見た目・症状が残る)
本幹(逆流の元栓)を治療しても、分枝の静脈瘤がすべて自然に消えるとは限りません。
分枝が太い場合や、長年かけて拡張した血管は、追加の処置(切除・硬化療法・微小血栓除去など)が必要になることがあります。
この点が説明されていないと、術後に分枝が残ったとき、
- 「治ってないじゃないか」
- 「手術が失敗だったのでは」
と感じる原因になります。
重要なのは、“残っている=失敗”ではなく、計画的に段階治療が必要な場合があるという整理です。
再発・不満につながりやすい“あるある”④:術後フォローが薄く、問題が小さいうちに修正できない
下肢静脈瘤治療は日帰りでできる時代になりましたが、日帰り=放置で良い、ではありません。
術後には、血栓性静脈炎様の症状、硬結、色素沈着、残存分枝、圧迫の適正化など、経過を見て調整すべき点が出ます。
術後の診察・エコー評価が十分でないと、「ちょっと気になる」を放置して悪化し、結果として再発・不満につながります。
再発・不満につながりやすい“あるある”⑤:最初から「下肢静脈瘤が原因ではない症状」だった
脚のだるさ、痛み、しびれ、こむら返りなどは、静脈瘤でも起こり得ますが、他の病気でも起こります。
たとえば腰部脊柱管狭窄症や坐骨神経痛、関節疾患、動脈疾患、心不全や腎機能低下による浮腫など、鑑別が必要です。
原因が別にあるのに静脈瘤治療だけ行うと、患者さんは当然「治らない」と感じます。
だからこそ、術前評価で“静脈瘤が主因なのか”の見極めが欠かせません。
「再発したかも」と感じたら、まず何をすべきか
不安になったときほど、ネットの体験談だけで判断すると遠回りになりがちです。まずは次の順番がおすすめです。
- 下肢静脈の超音波検査(エコー)で、逆流の有無と部位を特定する
- 「再発」なのか「残存」なのか「新規」なのかを分類する
- 症状と所見が一致しているか確認する
- 必要な治療を、根拠とともに説明してもらう
重要なのは、“何が起きているか”が分かれば、次の一手は整理できるという点です。
次は失敗しないために:下肢静脈瘤の手術前に、患者さん自身が確認しておきたい8つのポイント
再治療を検討する方ほど、クリニック選びは慎重になります。判断材料として、次のポイントを押さえてください。
- 術前にエコーで原因部位を明確に説明しているか(図や所見を使うとなお良い)
- 治療法の選択理由を、メリットだけでなくデメリットも含めて話すか
- 治療範囲(どこからどこまで)が具体的か
- 分枝への方針(同時に行う/段階的/必要時追加)が説明されるか
- 術後フォロー(診察・エコー・追加治療の基準)が明確か
- 合併症対応(血栓・皮膚症状・痛み等)の説明があるか
- 治療件数・専門性が担保されているか(少なくとも“慣れている”根拠があるか)
- 質問しやすい雰囲気があるか(説明が短い、急かす、即決を迫るは要注意)
これらが揃っている施設ほど、結果として「納得して治療を受けられた」という満足度が高くなります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 一度治療した静脈は、また同じように悪くなるのですか?
治療によって閉塞・線維化した静脈そのものが同じ形で戻ることは多くありません。ただし、逆流が残っていた場合や、別の血管に新たな逆流が生じた場合に、「再発した」と感じる状態が起こります。原因の特定にはエコー検査が必須です。
Q2. 他院での治療後でも、再治療はできますか?
可能です。ただし、以前の治療内容(どの血管をどの範囲で処置したか)によって戦略が変わります。紹介状がなくても、術前エコーで現状を評価し、最適な方法を検討します。
Q3. 「説明不足だった」と感じます。再受診のとき、何を質問すればよいですか?
「どの血管が原因で、どこからどこまで逆流しているのか」「今回の治療で何をどこまで治すのか」「残る可能性がある症状と追加治療の基準」を質問してください。答えが曖昧な場合は、別の専門施設で意見を聞くのも有効です。
下肢静脈瘤専門クリニック『目黒外科』のご案内
目黒外科は、下肢静脈瘤に特化した専門クリニックとして、日帰り治療(通院治療)を中心に診療を行っています。
- 術前に超音波検査で逆流の原因を丁寧に評価
- 患者さんの生活背景も踏まえた治療方針をご提案
- 術後の経過確認・フォローまで一貫して対応
「他院で治療したが不安が残る」「再発かどうか一度きちんと調べたい」という方も、まずは現状把握からご相談ください。
無料画像診断も行っています。受診すべきか迷う段階でも、写真から分かる範囲で医師が見立てをお伝えします。
早めに現状を整理することで、余計な遠回りを減らせます。
まとめ:再発は「運」ではなく、原因の見極めと治療設計で減らせる
再発や不満の背景には、説明不足、評価不足、治療範囲の不足、分枝対応の不足、フォロー不足など、いくつかの典型パターンがあります。
大切なのは、「誰のせいか」を探すことではなく、「何が起きているか」を正確に把握することです。エコー検査で原因が分かれば、打ち手は整理できます。
「また同じ思いをしたくない」と感じる方ほど、次は“説明が丁寧で、根拠を示し、術後まで面倒を見る”医療機関を選んでください。
その選択が、結果として最短ルートになります。


