冬の立ち仕事で足がつらい飲食店スタッフへ|専門医が解説する下肢静脈瘤の特徴と対策

下肢静脈瘤の原因
冬の立ち仕事がつらい方へ|飲食業に多い下肢静脈瘤の特徴

冬の立ち仕事がつらいあなたへ──飲食店スタッフに多い下肢静脈瘤の特徴

寒さが増す冬は、足先の冷え・こわばり・むずむず感で「一日立ちっぱなしがつらい」と感じる飲食店スタッフが増えます。実はその背景に、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)による静脈うっ滞が隠れていることがあります。
本記事では、冬の立ち仕事で静脈うっ滞が悪化しやすい理由、飲食業特有のリスク、今日からできる実践ケア、そして医療的な対処まで専門医の立場からわかりやすく解説します。

下肢静脈瘤とは?立ち仕事で悪化しやすい理由

下肢静脈瘤は、皮下を走る表在静脈の逆流が主な原因です。逆流が続くと血液が静脈内にたまり、血管がボコボコと浮き出たり、だるさ・重み・ほてり・こむら返りなどの症状が生じます。

下肢静脈瘤とは

特に立ち仕事ではふくらはぎの筋ポンプが十分に働かない時間が長く、重力の影響で血液が下にたまりやすいのが悪化要因です。

  • 長時間の直立姿勢:重力により静脈が心臓に戻ることができない
  • 休憩の少なさ:ふくらはぎの筋肉によるポンプ機能が働かない

なぜ「冬」に症状がつらく感じるのか

一般に夏は血管が拡張しやすく逆流が増えますが、冬は別の要因でつらさが増す人がいます。

  • 冷えによる筋のこわばり:筋ポンプが働きにくく、だるさ・むずむず感が出やすい
  • 厚手の靴・防寒具:足首の可動域が減って足の筋肉のポンプ効率が低下しやすい
  • 乾燥:皮膚のかゆみや炎症(うっ滞性皮膚炎)を生じやすい

皮膚が茶色く硬くなるうっ滞性皮膚炎(色素沈着・皮膚脂肪硬化)が進むと、自然に消えることは少なく、放置で潰瘍のリスクが高まります。早めの受診で原因から対処しましょう。

うっ滞性皮膚炎

飲食店スタッフ特有のリスク要因

  • 厨房の高温環境:夏場は暑さで血管が拡張するが、火を使う厨房は冬でも高温環境にある
  • ピークタイムの連続立位:休憩が取りづらく、むくみ・だるさが蓄積
  • 安全靴・滑り止め靴:足関節の可動が制限され、足の筋肉のポンプ作用の低下
  • 夜間勤務:睡眠リズムの乱れは回復力を低下させ、こむら返りの誘因に
  • 男性は受診が遅れがち:見た目よりも「痛み・かゆみ・皮膚トラブル」で悪化してから来院する傾向

今日からできるセルフケア(現場で実践しやすい順)

  1. こまめな足の運動(30–60秒):注文が途切れたわずかな時間にかかと上げ10回足首ぐるぐる。足関節を動かすことで筋肉のポンプを動かしましょう。
  2. 体重移動のクセ付け:左右にゆっくり3秒ずつ体重を移す。ふくらはぎを交互に使う意識で。
  3. 水分+ミネラル補給:脱水は血液粘度を上げるため、血流が悪くなります。冷えが強い人は常温の水や白湯がおすすめです。
  4. 日中の弾性ストッキング
    立ち仕事時間帯の着用が肝心です。サイズは必ず試着して適正な圧がかかるものを選びましょう。
    ※夜間は基本的に着用不要です。暑がりな方・水虫など足指の疾患がある方はオープンフィンガータイプでも可。
  5. 靴と中敷の見直し:つま先が反り返りすぎない靴、軽量で指が動かせる設計のものを選びましょう。中敷は土踏まずサポートがあると疲労が軽減されます。
  6. 帰宅後のケア:シャワー後に保湿(乾燥とかゆみ予防)。ふくらはぎのストレッチを30秒×3セットを目安に行うと良いでしょう。

セルフチェック|こんなサインは受診が必要です

サイン 考えられること 推奨アクション
皮膚の茶~黒色の色素沈着、硬さ うっ滞性皮膚炎・皮膚脂肪硬化(進行サイン) 早めにエコー検査で原因静脈を評価
夜間のこむら返り・朝のふくらはぎ痛 筋ポンプの低下、静脈うっ滞 圧迫療法+ストレッチ、必要に応じて治療を検討
ボコボコした浮き出し血管 表在静脈の逆流 血管内治療の適応を評価
刺すようなかゆみ・湿疹 うっ滞による皮膚炎 保湿+医療用外用薬+原因静脈の治療で根本改善を目指す

医療でできること|「切らない・縫わない」日帰り治療

目黒外科では、表在静脈の逆流を止める血管内治療(レーザー/グルー)を中心に、必要に応じて硬化療法を組み合わせます。いずれも日帰りで、術後は歩いてお帰りいただけます。冬は圧迫ストッキングが着用しやすく、傷跡も目立ちにくい季節です。

  • 検査:超音波(エコー)で逆流部位と重症度を評価
  • 治療:レーザー/グルー(表在静脈を内部から閉鎖)+必要に応じ硬化療法
  • 術後:当日歩行可。多くは翌日から日常生活に復帰

よくある質問

夜に弾性ストッキングを履くと良いですか?

圧迫が必要な時間帯は日中(立っている時間)です。就寝中は基本的に不要です。かゆみ・皮膚炎がある方は保湿を徹底しましょう。

予防できる食べ物はありますか?

食事で静脈瘤そのものを治す・予防するエビデンスは限定的です。ほとんどないと言って良いでしょう。立ち方・こまめな小休止・圧迫療法・適切な治療が大事です。

男性でも治療は必要?

はい。飲食業の男性は症状がひどくならないと受診しない傾向があり、皮膚炎や潰瘍になってしまう前に受診・治療されることをおすすめします。

下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」のご案内

目黒外科は下肢静脈瘤の専門クリニックとして「切らない・縫わない・痛みの少ない」日帰り治療を行っています。日曜診療にも対応し、忙しい飲食店スタッフの方でも通いやすい体制です。

アクセス:JR・東急線「目黒駅」徒歩1分(東京都品川区)
公式サイト:https://meguro-geka.jp/

まとめ

  • 冬の立ち仕事で足がつらい背景には下肢静脈瘤が潜むことがある
  • 飲食店スタッフは環境・装備・休憩の制約で下肢静脈瘤発症のリスクが高い
  • 日中の弾性ストッキングこまめな足の運動を今日から実践しましょう
  • 皮膚の変色・硬さ・かゆみは早めに受診を!
  • 治療は日帰りが主流。冬はケアがしやすいチャンスです。
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