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夏は静脈瘤が危険!血栓リスクと今すぐ治療すべき理由
血液が濃くなる夏、静脈瘤に潜む血栓リスク
夏は汗をかく機会が増え、水分摂取が不足しやすくなります。その結果、血液が濃縮し、血流が滞ることで血栓ができやすい状態になります。特に気温や湿度が高くなる日本の夏では、体内の水分が急速に失われるため、意識的に水分補給を行わないとすぐに脱水状態に陥ります。
この状態で下肢静脈瘤を放置していると、血液の滞留が助長され、静脈瘤内に血栓が形成されるリスクが急激に高まります。血栓ができることで炎症が起こり、痛みや赤みを伴い、さらに悪化すると日常生活にも支障をきたす深刻な状態になります。
血栓性静脈炎とは?見逃してはいけないサイン
血栓性静脈炎とは、拡張した静脈瘤の内部に血の塊(血栓)ができて炎症を起こしている状態を指します。触るとコリコリしたしこりのように感じることが多く、赤み、熱感、痛みを伴います。

血栓性静脈炎
特にふくらはぎの静脈瘤に血栓ができやすく、「最初は違和感程度だったけれど、ある日突然強い痛みと腫れが出た」と訴える患者さんも少なくありません。静脈瘤がある方にとって、これらの変化は見逃してはならない重要なサインです。
放置すれば、血栓が深部に進行し深部静脈血栓症(DVT)を引き起こす可能性もあります。DVTは、さらに重篤な合併症である肺塞栓症を引き起こすリスクもあるため、早期の診断と対応が必要です。
患者体験談:夏に血栓性静脈炎を発症したBさんのケース
「ふくらはぎの静脈瘤がいつの間にか腫れて熱を持つようになり、歩くだけで痛むようになっていました。仕事が忙しくて様子見していたら、病院で血栓ができていると診断され驚きました。」
50代の男性Bさんは飲食店勤務で、夏場は水分不足と長時間の立ち仕事が重なり、血栓性静脈炎を発症しました。当院での超音波検査によって血栓性静脈炎と診断され、レーザー焼灼術による血管の閉塞処置と、炎症を抑える薬物療法を行いました。術後の経過は良好で、現在は再発予防のために弾性ストッキングを継続的に使用しています。
「もっと早く受診していれば、ここまで痛みが強くならずに済んだと思います」とBさんは話しており、症状に気づいたらすぐに専門医に相談することの大切さを実感されています。
今すぐできる!夏の血栓リスクを減らす対策
- こまめな水分補給(1日1.5〜2リットルを目安に)
- カフェインやアルコールの摂取を控える(利尿作用により脱水が進むため)
- 30分ごとの軽い運動やストレッチで血流を促進
- 朝起きてすぐに弾性ストッキングを着用(むくみや血液の滞留を予防)
- 涼しい時間帯にウォーキングやふくらはぎのポンプ運動
- 長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしを避ける
また、気になる症状が出た場合は市販薬や湿布などで自己判断せず、専門の医療機関でエコー検査を受けることをおすすめします。静脈瘤は進行性の病気であり、対処を遅らせると合併症のリスクが高まるため注意が必要です。

下肢静脈の診断には超音波検査が必須
放置は危険!早期治療で血栓を防ごう
下肢静脈瘤は自然に治ることはありません。放置していても改善せず、むしろ悪化しやすい特徴があります。症状が悪化すれば、それだけ治療期間も長くなり、生活への支障も大きくなります。
当院では、静脈内にカテーテルを挿入し、熱エネルギーで血管を閉塞する血管内焼灼術(レーザー治療)を行っており、日帰り・眠っている間の治療・切らない治療として多くの患者さんに選ばれています。
さらに、術後の生活指導や再発予防のアドバイスも丁寧に行っており、「術後も安心して過ごせた」「思ったより楽だった」というお声を多数いただいています。
まとめ:夏こそ静脈瘤と向き合う絶好のタイミング
静脈瘤は単なる見た目の問題ではなく、血栓性静脈炎や皮膚潰瘍、深部静脈血栓症など重大な合併症を引き起こす可能性のある疾患です。特に夏は、血栓のリスクが高まる季節。水分不足、体温上昇、血液の濃縮という条件が揃いやすいため、注意が必要です。
静脈瘤がある方、または気になる症状がある方は、早期に専門医を受診し、エコー検査で血流の状態を確認しましょう。症状が軽いうちであれば、身体への負担が少ない治療で済み、再発も予防しやすくなります。
✅夏の血栓リスクに要注意!
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