下肢静脈瘤をまだ治療していない方へ
下肢静脈瘤がある方で、足の皮膚に黒ずみやかゆみが出てきたら、それは「うっ滞性皮膚炎」の症状かもしれません。
うっ滞性皮膚炎は、足の血流が悪くなることで起こる皮膚のトラブルで、特に下肢静脈瘤が重症化した際に見られることが多い病気です。
この記事では画像で見てわかるうっ滞性皮膚炎の特徴や、原因・治療法についてわかりやすく解説します。
「うっ滞性皮膚炎(うったいせいひふえん)」とは? ~なぜ起こるの?~
「うっ滞性皮膚炎」とは、足の静脈(血液を心臓へ戻す血管)の流れが悪くなり、血液が足にたまってしまうことで起こる皮膚の病気です。
では、なぜ足の静脈に血液がたまると皮膚炎になるのか、順番に見ていきましょう。
血液の流れが悪くなる
本来、足の血液は静脈を通って心臓へ戻ります。しかし、静脈の中にある逆流防止弁が弱くなると、血液がうまく心臓に戻れなくなります。そのため足の静脈内に血液がたまり、血管の中の圧力が高くなります。この状態を静脈高血圧といいます。
血管から赤血球が外へもれ出す
静脈の圧力が高くなると、静脈の毛細血管から血液の一部が血管外にしみ出します。
そのとき、赤血球も血管外にもれ出てしまいます。
ヘモジデリンができて、皮膚が茶色くなる
皮膚に漏れ出した赤血球は、時間がたつとこわれてしまいます。
赤血球がこわれると、鉄の一種である「ヘモジデリン」という茶色っぽい色素が皮膚の中に残ります。
これが原因で、うっ滞性皮膚炎の人の足の皮膚は、茶色っぽい色に変わります。
炎症が続いて、皮膚がかたくなる
足の静脈に血液がたまり続けると、皮膚はずっと炎症を起こしたままになります。
そのため皮膚が硬くなったり、乾燥してかゆくなったりします。
こうして、「うっ滞性皮膚炎」としての症状があらわれます。
初期の段階ではくるぶし付近が黒ずむ程度(色素沈着)ですが、そのまま放置していると次第に足の湿疹・かゆみが現われて、なかなか治りません。その結果、足の皮膚をかきむしってしまうのですが、搔き壊した傷もなかなか治りません。そればかりか、傷からばい菌が入って蜂窩織炎や最悪の場合皮膚潰瘍になってしまうこともあります。
【うっ滞性皮膚炎の症状とは?画像で確認しよう】
うっ滞性皮膚炎は、くるぶし・すね・ふくらはぎなど、膝から下の皮膚に症状が出現します。
初期の段階では、くるぶし付近に色素沈着(皮膚の黒ずみ)が現れ、徐々に湿疹やかゆみが出現するようになります。下肢静脈瘤に伴う湿疹やかゆみは、かゆみ止めの薬を塗ってもなかなか治らない事が特徴です。
進行すると皮膚が硬くなり、足がジンジン痛くなります。
最悪の場合、皮膚潰瘍になる場合もあります。
かゆみのため皮膚を掻き壊してしまうことで皮膚が傷つき、蜂窩織炎(ほうかしきえん)など感染症を起こすリスクも高くなるため、うっ滞性皮膚炎の症状が見られたら、早めの対応が大切です。
【うっ滞性皮膚炎の原因は?下肢静脈瘤との関係】
うっ滞性皮膚炎は、足の静脈の流れが悪くなることで血液が滞り、皮膚に炎症が起きることが原因です。その代表的な原因が下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)です。
下肢静脈瘤とは、足の静脈の弁が壊れ、血液が逆流して血管が膨らむ病気です。
この状態が続くと、血液がうまく心臓に戻らずに足の静脈にたまり、こむらがえり・足のだるさ・むくみなどの症状が出現します。さらに病状が悪化すると、うっ滞性皮膚炎を合併します。
長時間の立ち仕事や、妊娠・加齢・遺伝などもリスク要因となるため、特に中高年の女性や飲食店など長時間の立ち仕事に従事されている方に多く見られます。
【うっ滞性皮膚炎の治療法と予防法】
うっ滞性皮膚炎の治療は、原因である静脈のうっ滞を改善することが基本です。
軽度の場合は、弾性ストッキング(医療用の着圧ソックス)の着用で血流をサポートできます。
かゆみが強いときは、ステロイド外用薬(塗り薬)や保湿剤が処方されます。しかし、かゆみの原因は皮膚の内側にあります。外から薬を塗ってもなかなか改善しません。根本的な治療には下肢静脈瘤そのものの治療が必要です。
現在ではレーザー治療やラジオ波治療といった、身体への負担が少ない手術方法が広く行われています。
初期段階での診断と対処が、うっ滞性皮膚炎の悪化を防ぐカギになります。
【専門医を受診すべきタイミングとは?】
下肢静脈瘤がある方で、3か月間薬を塗っても湿疹・かゆみが治らない場合、一度専門医を受診して下肢静脈瘤の検査を受けてみてください。
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まとめ
うっ滞性皮膚炎は、見た目の変化だけでなく、放置すると湿疹・かゆみ・潰瘍や感染症など厄介な皮膚トラブルにもつながる病気です。画像をご覧いただいて、ご自身に当てはまる場合は早めに専門医を受診しましょう。
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