下肢静脈瘤による色素沈着|写真でわかる症状・原因・治療法を専門医が解説

うっ滞性皮膚炎
下肢静脈瘤による色素沈着|写真で見る症状と治療

 

下肢静脈瘤による色素沈着とは?写真でわかる症状と原因・治療法

「足首まわりが茶色くなってきた」「シミが広がっている気がする」——それ、下肢静脈瘤による色素沈着(うっ滞性皮膚炎かもしれません。写真でイメージしやすいよう、見た目の特徴から原因、治療、術後の経過までを専門医の視点で解説します。

色素沈着の写真で見る特徴

下肢静脈瘤による色素沈着は、足首〜ふくらはぎ内側に茶色〜黒っぽい変色が広がり、かゆみ・乾燥・皮膚の硬化を伴うのが典型です。前脛骨部よりも内果(内くるぶし)周囲が目立つケースが多く、光が当たるとテカり(光沢)が出ることもあります。

典型例:内くるぶし〜足首にかけての褐色変化。乾燥・痒みを伴うことが多い。

典型例:内くるぶし〜足首にかけての褐色変化。乾燥・痒みを伴うことが多い。

ポイント:「シミ」ではなく血液うっ滞のサインです。見た目だけの皮膚疾患と誤認すると、治療のタイミングを逃しやすくなります。

なぜ起こる?進行のメカニズム

  1. 静脈の逆流:下肢静脈瘤で血液が逆流し、皮膚近くの静脈に鬱滞。
  2. 赤血球の漏出:血管外へ染み出た赤血球が分解。
  3. ヘモジデリン沈着:鉄分が皮膚内に溜まり、茶褐色に見える。
  4. 慢性炎症:うっ滞と炎症が続き、皮膚が硬くゴワつく(脂肪皮膚硬化症)。

下肢静脈瘤からうっ滞性皮膚炎へ

一度沈着した色素は自然消退しにくいため、原因の逆流静脈を止める根本治療が重要です。

放置リスク:潰瘍化の前に

  • 皮膚の硬化・肥厚・弾力低下
  • 掻破によるびらん・出血・浸出液
  • 静脈うっ滞性潰瘍(難治性)への進行

下肢静脈瘤による皮膚潰瘍

潰瘍化すると日常生活への影響が大きく、治癒にも時間がかかります。早期の超音波検査と適切な治療選択で進行を止めましょう。

治療法:皮膚ケアと根本治療の二本立て

1) 皮膚炎・かゆみ・乾燥への対策

  • 外用ステロイド:炎症・かゆみを鎮める
  • 保湿剤:皮膚バリアの再建、乾燥予防
  • 二次感染対策:必要時に抗菌薬(医師判断)

2) 逆流を止める根本治療

保険適用日帰りOK/術後は歩行帰宅が基本。多くの方が翌日から家事・デスクワークに復帰できます(痛みや個人差を考慮)。

治療後の経過とセルフケア

逆流を止めると血液の鬱滞が改善し、新たな沈着進行は抑制されます。既存の色素は数ヶ月〜数年で徐々に薄くなることが多いですが、完全に消えない場合もあります。

  • 弾性ストッキング:日中着用で鬱滞を予防
  • 保湿・スキンケア:掻破を避ける、入浴後ケア
  • 定期フォロー:超音波検査で再発チェック
  • 生活工夫:長時間立位・座位の連続を避ける、ふくらはぎ運動

写真で確認するビフォーアフター

下肢静脈瘤ビフォーアフター写真

手術前は太ももからすねにかけて静脈瘤が認められ、すねの皮膚には色素沈着も見られました。
手術から6か月後の写真では、静脈瘤は消失し、色素沈着も大きく改善しています。

※写真は一般的な経過の一例であり、結果には個人差があります。

よくある質問(FAQ)

色素沈着は自然に消えますか?

原因の逆流が続く限り改善は乏しく、進行することも。逆流を止める根本治療後は、新たな沈着は抑えられ、既存の色は時間をかけて薄くなる傾向があります。

市販の美白クリームで治りますか?

美白外用のみでは十分な効果は期待できません。うっ滞の解消(血管内治療)と炎症コントロール(保湿・外用薬)を組み合わせることが重要です。

再発したらまた色素沈着しますか?

再び逆流が生じれば同様のリスクがあります。定期フォローとストッキングの正しい活用で再発を抑制しましょう。

「もしかして色素沈着…?」と思ったら、まずは超音波で原因を明確に。

下肢静脈瘤専門クリニック『目黒外科』では、保険適用の切らない日帰り手術を行っています。

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当院は保険適用の血管内治療(レーザー/グルー)と硬化療法に特化した専門クリニックです。色素沈着やうっ滞性皮膚炎が進行した方にも、麻酔から術後ケアまで一貫した体制で対応します。

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この記事は医師の監修のもと、医学的根拠に基づいて作成しています。内容は一般的な情報であり、診断・治療は医療機関でご相談ください。

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