冬の肌の乾燥・かゆみは静脈うっ滞が原因?医師が教える下肢静脈瘤との関係

うっ滞性皮膚炎
冬の肌の乾燥やかゆみは下肢静脈瘤が原因かも

肌の乾燥やかゆみ、それ“下肢静脈瘤”のせいかもしれません

冬になると「すねの乾燥とかゆみがつらい」「保湿しても治らない」という相談が増えます。実は、その背景に
下肢静脈瘤による血液うっ滞(静脈うっ滞)が潜んでいることがあります。皮膚だけに原因があるように見えても、
足の静脈の逆流が続くと、保湿剤だけでは改善しにくい皮膚炎に進行します。

うっ滞性皮膚炎の症状

なぜ“乾燥・かゆみ”が静脈の病気で起こるの?

下肢静脈瘤は、皮下の表在静脈に逆流が生じる病気です。逆流が続くと血液中の炎症物質や余分な水分が皮膚・皮下に滲み出し、
うっ滞性皮膚炎(静脈うっ滞性湿疹)を引き起こします。これが「乾燥」「粉ふき」「かゆみ」「赤み」「湿疹」を招き、かきこわしで悪循環に陥ります。

  • 血液の逆流 → 皮膚に炎症物質が滞留 → 乾燥・かゆみ・湿疹
  • 皮膚の防御機能低下 → 細菌感染・びらんのリスク増加
  • 慢性化すると色素沈着皮膚脂肪硬化へ進行

重要:色素沈着や皮膚脂肪硬化は自然に消えにくく、うっ滞が続けば皮膚潰瘍の原因になります。皮膚だけを治しても、
うっ滞の原因(逆流)を断たなければ再燃しやすいのが特徴です。

皮膚トラブルで疑うべきチェックポイント

サイン 考えられる状態 推奨アクション
すねの乾燥・粉ふき・強いかゆみが続く うっ滞性皮膚炎の初期 早めに血管エコーで逆流評価+保湿・外用治療
皮膚が茶色〜黒色に変色、硬い 色素沈着/皮膚脂肪硬化(進行サイン) 原因静脈の治療を含む根治的アプローチを検討
足にボコボコした血管がある、夕方にだるい 表在静脈の逆流の可能性 日帰りの血管内治療の適応評価
かき壊しで皮膚がしみる・じゅくじゅく 二次感染・びらん 早期に受診し外用薬+原因治療で鎮静化

今日からできる“肌”と“静脈”のWケア

  1. 入浴はぬるめ・短め:熱すぎ・長風呂は皮脂を奪いかゆみを悪化。
  2. 入浴直後の保湿:入浴後速やかにワセリン/クリームでバリア回復。
  3. 日中の圧迫療法:サイズの合った医療用弾性ストッキングを“立っている時間”に着用(夜は原則不要)。
  4. かかと上げ×10回をこまめに:ふくらはぎの筋ポンプを動かして血流を促進。
  5. 掻き壊さない:保冷・内服薬・外用薬でかゆみをコントロール。長引く場合は皮膚科を受診しましょう。

※ 食事で静脈瘤自体が治るエビデンスはほとんどありません。皮膚ケア+うっ滞の原因治療が基本方針です。

医療でできる根本対策──「切らない・縫わない」日帰り治療

目黒外科では、原因となる逆流静脈を内側から閉鎖する血管内レーザー治療グルー治療を中心に、必要に応じて
硬化療法を組み合わせます。いずれも通院手術で、術後は歩いてお帰りいただけます。

  • 検査:高解像度の超音波検査(エコー検査)で逆流部位・重症度を特定
  • 治療:レーザー/グルーで表在静脈の逆流を遮断+微小血管に硬化療法
  • 皮膚の予後:炎症の鎮静化でかゆみ改善が期待でき、色素沈着の進行も抑制

皮膚脂肪硬化や色素沈着は完全に消えにくいことがあります。だからこそ、血液のうっ滞そのものを早めに断つことが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 保湿だけで治りますか?

A. 一時的に楽になりますが、逆流が続く限り再燃しやすいです。皮膚治療+原因静脈の評価が必要です。

Q. 冬に治療するメリットはありますか?

A. 弾性ストッキングが着用しやすく、露出が少ないため傷跡が目立ちにくい季節です。術後管理もしやすくおすすめです。

Q. どのくらいで仕事に戻れますか?

A. ほとんどの方は翌日から日常生活に復帰できます。お仕事もできます。

下肢静脈瘤専門クリニック「目黒外科」のご案内

目黒外科は、切らない・縫わない・痛みの少ない日帰り治療に特化した静脈瘤専門クリニックです。うっ滞性皮膚炎や皮膚脂肪硬化の治療経験も豊富です。
アクセス:JR・東急線「目黒駅」徒歩1分(東京都品川区)
公式サイト:https://meguro-geka.jp/

まとめ

  • すねの乾燥・かゆみは、静脈うっ滞・下肢静脈瘤が原因のことがある
  • 進行すると色素沈着・皮膚脂肪硬化へ、放置で皮膚潰瘍の危険
  • 保湿+圧迫+運動に加えて、原因静脈の評価・治療が根本対策
  • 早期に専門医へ相談を。冬は術後ケアがしやすい好機

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目黒外科は、下肢静脈瘤レーザー手術件数日本最多(2020年から5年連続)の実績を持つ、下肢静脈瘤専門クリニックです。
28年以上にわたり下肢静脈瘤治療に専念してきた院長が、診察・検査・説明・手術・フォローアップまで一貫して担当します。
完全予約制・日曜診療対応で、忙しい方でも安心してご来院いただけます。
足の静脈瘤が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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目黒外科 院長・齋藤 陽は、下肢静脈瘤に関する知識をまとめた書籍
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この記事を執筆した人

斎藤Dr
齋藤Dr
目黒外科 院長 齋藤 陽

  • 日本大学医学部卒
  • 外科専門医・脈管専門医
  • 下肢静脈瘤血管内焼灼術・指導医

下肢静脈瘤ひとすじ28年。
「切らない」「縫わない」独自の技術により、これまでに行った手術件数は8000件以上。下肢静脈瘤レーザー手術件数は2020年以来5年連続日本一。
著者:「専門医が教える 世界一分かりやすい下肢静脈瘤の治療と予防」
メディア出演:日本テレビ「世界一受けたい授業」ほか

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