弾性ストッキング(着圧ソックス)は夜も履いて大丈夫?専門医が教える正しい使い方

Q&A

 

弾性ストッキングは寝るときも履くべき?履いてはいけない?

「弾性ストッキング(着圧ソックス)は夜も履いて寝たほうがいいの?」と疑問を持つ方はとても多いです。実際、患者さんからもよく質問されます。
下肢静脈瘤や足のむくみに悩む方にとって、正しい使い方を知ることはとても大切です。

今回の記事では下肢静脈瘤専門医が、弾性ストッキングの就寝時使用について、わかりやすく解説いたします。

【弾性ストッキング(着圧ソックス)は日中に効果を発揮します】

弾性ストッキングの目的は、足に圧をかけて血液を上に押し戻すサポートをすることです。具体的にいうと、ふくらはぎを揉んでして血液を心臓へ押し出す役割をします。


「足は第二の心臓」といい、血液を心臓に押して運ぶ役割を担っていますが、心臓のように24時間常に動き続けている訳ではありません。実際、足の筋肉は歩いている時にしか動きません。ですから、重力に逆らって血流を助けるという意味で、弾性ストッキング(着圧ソックス)は日中の立ち仕事や座っている時に効果を発揮します。

夜間、寝ている間は体が横になっているため、重力の影響をほとんど受けません。足と心臓の高さが同じになるため、足の静脈に溜まっていた血液も自動的に心臓の方へと流れていきます。
そのため、就寝中はストッキングの圧力が必要ないケースがほとんどです。

むしろ無理に履いて寝ると、締め付けが強すぎて逆に足がしびれたり、肌がかぶれる原因にもなることがあります。

【医師が勧めるのは「昼用」ストッキングの使用】

一般的に、弾性ストッキングの使用は朝起きてすぐに履いて、夜寝る前に脱ぐのが基本です。
これは一日の中で足がむくみやすい時間帯をカバーするためです。

「寝るときにメディキュットの夜用タイプを履いているのに、夕方になると足がむくんでしまう」というご相談をよくいただきます。
実は、足が一番むくみやすいのは、日中に座ったり立ったりして足が下がっている時間帯です。
しかし、夜用の着圧ソックスは、体を横にしている就寝中に履く設計になっており、圧が比較的やさしく設定されていることが多いです。

そのため、むくみが気になる日中にしっかりと圧をかけることが大切です。
就寝中だけの着用では、日中の足の血流をサポートしていないので、日中には日中用の弾性ストッキングを着用することをおすすめしています。

特に下肢静脈瘤の治療を受けている方は、治療後のサポートとして日中にストッキングを着用することが推奨されています。

ただし、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)などの予防のために就寝中の着用が勧められるケースもあります。その場合は医師の指示に従いましょう。

【睡眠中の着用が必要な場合とは?】

多くの医療機関では、手術直後や長期入院中の患者さんに、就寝中も弾性ストッキングの着用を指示することが一般的となっています。これは、足を動かせない事により静脈に血栓ができるのを防ぐ目的があるからです。

このように健康状態によっては夜間も弾性ストッキングを使用すべきかので、弾性ストッキングを就寝中にも履く必要があるかどうかについては、専門医にご相談ください。

【まとめ】

弾性ストッキングは基本的に日中に使用するものであり、就寝中は外すのが原則です。
ただし、持病や手術後の状態によっては、夜間も使用が必要な場合があります。

迷ったときは必ず専門の医師に相談して、ご自身にとって最適な使用方法を見つけてください。

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「寝るときは弾性ストッキング(着圧ソックス)を履くべき?」について解説していますので、ぜひご覧ください。
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