下肢静脈瘤かどうかを判断するために:まず最初に確認していただきたい大切なポイント
目黒外科には「もしかして下肢静脈瘤ではないか」と不安を感じて受診される方が多くいらっしゃいます。
ご自身の体調や足の変化に関心を持たれることは、とても大切なことです。
一方で、症状の原因が下肢静脈瘤ではなく、別の理由で起こっているケースも少なくありません。
本記事では、下肢静脈瘤を疑うときに最初に確認していただきたいポイントを分かりやすくお伝えします。
下肢静脈瘤の診断で最初に見るべきことは一つだけです
下肢静脈瘤を疑う際に、まず確認していただきたい条件は非常にシンプルです。
「足の血管がボコボコと浮き出ているかどうか」です。

下肢静脈瘤 画像
これが下肢静脈瘤診断の出発点です。足の血管が明らかに浮き上がり、曲がりくねって見える状態がある場合、
そのうえで症状を伴っていれば、下肢静脈瘤の可能性を考えます。
逆に言うと、血管がボコボコしていない場合、下肢静脈瘤が原因である可能性は高くありません。
まずはご自身の足を見て「血管の形」を確認することが重要です。
症状だけから下肢静脈瘤を判断するのは難しいのが現実です
よくご相談いただく症状には、次のようなものがあります。
- 足がむくむ
- 足がだるい
- 足がつる
- 足の皮膚がかゆい
- 足の皮膚の色が気になる
これらは確かに下肢静脈瘤でも見られることがあります。しかし同時に、
内科的な病気、皮膚のトラブル、筋肉疲労や生活習慣、加齢変化など
別の原因で起こることの方が圧倒的に多いのも事実です。
そのため、症状だけを手がかりに「下肢静脈瘤かもしれない」と判断することは、実はとても難しいのです。
まず「血管がボコボコしているか」を先に確認し、その後に症状を整理すると、適切な受診先に近づきます。
足のむくみが気になる場合は、まず内科の受診を
特に足のむくみは、最初に内科での評価が必要な症状です。
心臓・腎臓・肝臓の状態や、服用しているお薬などが関係していることもあります。
血管がボコボコしていない状態で「むくみの原因を知りたい」という場合には、
まず内科を受診することが、結果的に一番近道になります。
皮膚のかゆみや湿疹は、まず皮膚科での診察を
足の皮膚のかゆみや湿疹も、よくあるご相談です。血管がボコボコしていない状態で、
乾燥・赤み・粉ふきなどが中心であれば、まず皮膚科の診察が適しています。
そのうえで、次のような条件がそろう場合には、下肢静脈瘤によるうっ滞性皮膚炎を疑います。
- 足の血管がボコボコしている
- 足の皮膚が黒ずんできている
- かゆみや湿疹がなかなか改善しない

うっ滞性皮膚炎 画像
手術による改善が期待できるのはどのような方か
下肢静脈瘤の手術で症状改善が期待できるのは、次の条件がそろう方です。
【第一条件】
- 足の血管がボコボコしている
【加えて、次のような症状がある方】
- 足がだるい
- 足がつる
- 足が重い
- 皮膚の色が変化してきた
- 湿疹やかゆみが治りにくい
このように「血管の形」と「症状」がそろって初めて、
手術によるメリットが十分に見込めると判断します。
クモの巣状静脈瘤とボコボコした静脈瘤は別のものです
クモの巣状静脈瘤は、細い血管が透けて見える(赤い・紫色の糸のように見える)タイプで、
見た目の変化が中心です。これは足の血管がボコボコしていない方に見られることが多く、
一般的に下肢静脈瘤の手術(血管内治療)の対象にはなりません。
クモの巣状静脈瘤があり、同時に足のだるさ・つり・むくみ・色素沈着・かゆみなどの症状があっても、
ボコボコした静脈瘤が確認できない場合、手術による症状改善は期待しにくいのが現実です。
お互いに無駄のない受診のために
目黒外科は、下肢静脈瘤の治療に特化した専門クリニックです。下肢静脈瘤の診断と治療はできますが、下肢静脈瘤以外の病気の診断については適切な診療科を受診していただいております。
そのために、次の順番を大切にしていただければと思います。
- ご自身の足を一度よく見る
- 血管がボコボコしているかを確認する
- 足の血管がボコボコしていない場合、症状に応じて適切な診療科を選ぶ(むくみは内科、かゆみ・湿疹は皮膚科など)
血管がボコボコしていて、なおかつ自覚症状にお悩みの方は、下肢静脈瘤の可能性が高いです。
まとめ
- 下肢静脈瘤の診断は「症状」よりも「血管の形」が最優先
- 足の血管がボコボコしていることが最初の条件
- 足のむくみが気になる場合は、まず内科で評価を
- 皮膚のかゆみ・湿疹が中心なら、まず皮膚科を
- 条件がそろった方にこそ、手術は大きな意味を持つ
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下肢静脈瘤の可能性があるか、
また受診の目安について、専門医の立場からお伝えします。
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足の血管がボコボコしているかどうか
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下肢静脈瘤が疑われるか
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今すぐ受診が必要か、経過観察でよいか
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※画像診断はあくまで参考診断であり、
最終的な診断は来院時の診察・超音波検査によって行います。

